PMS(月経前症候群)の症状が日常生活に支障をきたす場合は、低用量ピルによる治療が選択肢のひとつとなります。低用量ピルはホルモンバランスの変動を抑えることで、月経前の心身の不調を和らげる効果が期待できます。また、治療目的で処方される場合は、使用する薬剤や診断内容によって健康保険が適用されるケースもあります。この記事では、PMSに対する低用量ピルの保険適用の考え方をはじめ、期待できる効果やメリット、服用前に知っておきたい副作用や注意点についてわかりやすく解説します。
PMS(月経前症候群)の症状が日常生活に支障をきたす場合は、低用量ピルによる治療が選択されることがあります。治療目的で医師が必要と判断した場合は、健康保険が適用されるケースがあります。
保険適用となるかどうかは、症状や診断、処方される薬剤によって異なります。代表的な保険適用の対象となる低用量ピルには、以下のようなものがあります。
なお、すべての低用量ピルが保険適用となるわけではありません。避妊を主な目的として処方される低用量ピルは自由診療(自費)となるため、治療目的との違いについては医師に確認しましょう。
PMSの治療に使用される低用量ピルには、排卵を抑える作用があるため、避妊効果も期待できます。
そのため、妊娠を希望する場合は、医師と相談したうえで服用を中止する必要があります。服用をやめると排卵は徐々に再開し、多くの場合は妊娠が可能になります。
また、低用量ピルの服用を中止した直後に妊娠した場合でも、現在のところ胎児への大きな影響はないと考えられています。
低用量ピルはホルモンバランスの変動を抑えることで、PMSによるさまざまな症状の改善が期待できます。
例えば、次のような効果が期待されます。
ただし、症状の改善には個人差があり、すべての人に同じ効果が得られるわけではありません。
「ピルを飲むと太る」というイメージを持つ人もいますが、低用量ピルそのものが体脂肪を増やすことは明確には示されていません。
一方で、服用初期には女性ホルモンの影響によって、
といった変化が起こることがあります。そのため、一時的に体重が増えたように感じる人もいます。
気になる場合は、塩分を控えめにすることや適度な運動を続けることも役立ちます。
PMSの治療に用いられる低用量ピルは、中用量ピルに比べると副作用が少ないとされていますが、服用開始後しばらくはホルモン環境の変化によって体調が変化することがあります。
服用開始後によくみられる副作用です。
体がホルモンの変化に慣れるまでの間に起こりやすく、多くの場合は数か月以内に軽快するとされています。症状が続く場合や日常生活に支障がある場合は、医師へ相談しましょう。
ピルに含まれる女性ホルモンの影響で乳腺が刺激され、一時的に胸の張りや痛みを感じることがあります。
多くは服用を続けるうちに軽減しますが、症状が強い場合は処方薬の変更が検討されることもあります。
黄体ホルモン(プロゲスチン)の作用によって眠気を感じる人もいます。
また、体温の変化などが影響し、睡眠の質が変わることで日中に眠気を感じることもあります。
服用開始後には少量の不正出血がみられることがあります。
これは体が新しいホルモンバランスに適応する過程で起こることが多く、数か月以内に改善するケースが一般的です。また、飲み忘れによってホルモン濃度が低下した場合にも不正出血が起こることがあります。
頻度はまれですが、低用量ピルでは血栓症という重い副作用に注意が必要です。
次のような症状が現れた場合は、服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
特に35歳以上で喫煙習慣がある人や、肥満、血栓症の既往歴がある人などではリスクが高まるため、服用前に医師へ相談することが重要です。
PMSによる心身の不調が強い場合は、低用量ピルによる治療で症状が改善することがあります。治療目的で処方される場合は健康保険が適用されるケースもあり、月経痛や経血量の減少、月経周期の安定などさまざまなメリットが期待できます。
一方で、服用開始後には頭痛や吐き気、不正出血などの副作用がみられることもあります。多くは一時的ですが、症状が続く場合や血栓症を疑う症状が現れた場合は、自己判断せず速やかに医療機関へ相談しましょう。医師と相談しながら、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
※参考記事:医療情報メディアmedicommi記事リンクはこちら