クオール株式会社

医療安全対策への取り組み(プレアボイド※)

クオール薬局では、患者さまの副作用の未然回避や重篤化回避、また薬物治療効果の向上につなげられるように、日々の取り組み事例を社内で共有しています。
これらの事例を社内で共有することで、薬剤師が提供する医療の質の向上を図っています。
このページでは、クオール薬局での患者さまへの安心・安全の取り組みを詳しく知っていただき、様々なお薬に関するご相談のきっかけとなるよう、事例の紹介を行ってまいります。

薬剤師は患者さまのために具体的には、

  • 患者さまへお薬をお渡しする際にお聞きした情報から、処方されたお薬の飲み合わせや、検査結果・副作用歴・アレルギー歴とお薬との問題点などを医師に問い合わせし、患者さまが安心して服用できるように努めています。
  • 服用後の体調変化等を継続的にフォローし、患者さまのご了解を得て、医師への情報提供を行っています。
  • 小児、妊婦、授乳婦、ご高齢の患者さまなど、クオール薬局にご来局される患者さまおひとり、おひとりに合わせた丁寧な服薬指導を実施しています。

プレアボイドとは、Prevent and avoid the adverse drug reaction(薬による有害事象を防止・回避する)という言葉を基にした造語です。

事例一覧

事例1 服用期間中の電話フォローアップと医師との連携により、がん治療における副作用の重篤化を回避した事例

昨今、生活の中でがん治療を継続する患者さまが増加しています。しかし、服用期間中に、治療薬による副作用が起きると、やむを得ず治療を中止せざるを得ないケースがあります。本事例では、薬剤師が患者さまへお電話にて副作用を早期に発見し、適切な薬剤の処方を医師へ提案して、副作用の悪化を防止し、がん治療が継続できたケースです。

大腸がん治療薬であるカペシタビンを服用されている40代の男性Aさま。

カペシタビンには「手足症候群」という副作用が起こりやすいとされ、その症状がひどくなり生活に支障が出る場合、やむなく一旦がん治療を中止しなくてはいけないケースもあります。しかし「手足症候群」は、症状が軽いうちに、正しく手足の保湿などを行うことで、症状を軽減したり、進行をおさえたりできるとされています。
本事例では、かかりつけ薬剤師Qが、服用期間中電話にてフォローアップを行っていました。そのお話の中で、薬剤師Qは、Aさんより、手足症候群の初期症状を疑う状況を聞き取りました。薬剤師Qはすぐに医師と連携をとり、副作用の疑いの報告と、ガイドラインに記載のある塗り薬の処方提案を行いました。その後提案した塗り薬が医師より処方され、Aさんに適切にご使用いただくことで、それ以上の「手足症候群」の悪化は回避され、Aさんは無事がん治療を予定通り継続することができました。

事例2 市販薬の副作用歴から処方削除となった事例

市販薬では類似名称の商品が複数あるため、患者さま自身が副作用の原因となる有効成分を理解し、薬剤師や医師へ伝えることが難しい場合があります。今回は実際に商品を見せる事で該当成分を推測し、副作用歴、アレルギー歴の確認の重要性を気付かせてくれました。

感冒で処方箋持参の患者さま。以前、市販薬でまぶたが腫れたことがあると訴えがありました。市販薬は類似名称の商品が多く、有効成分も異なるため薬局で陳列していた商品を確認してもらい特定できました。医師へ問い合わせた結果、処方薬のひとつが該当したため削除となりました。

〈処方変更〉
サリチルアミド・アセトアミノフェン・クロルフェニラミン等配合顆粒

削除

事例3 抗リウマチ剤の連続服用による重大な健康被害を防止した事例

免疫抑制剤であるメトトレキサートは、休薬期間が必要なお薬です。誤って連日服用することにより、骨髄抑制等の命にかかわるような重篤な副作用を引き起こすことがあります。本事例では薬剤師が事前に医師への問い合わせをすることにより、重大な健康被害の発生を回避することができました。

かかりつけ薬剤師として担当している独居で高齢の患者さまの事例。

〈処方内容〉
メトトレキサート2㎎ 2カプセル 1日2回 朝・夕食後 28日分
葉酸 1錠 1日1回 朝食後 28日分

受け付けた処方箋を確認すると、休薬期間が必要であるメトトレキサートが28日分処方されており、服用曜日のコメント記載もありませんでした。患者さまに確認すると、今まではメトトレキサートを火曜日に、葉酸を木曜日に服用しており、次回の受診予定日は4週間後でした。
処方した医師に問い合わせた結果、処方日数は4日(4週)に変更。これまで通り週にそれぞれ1日ずつ、火曜日にメトトレキサート、木曜日に葉酸を服用することになりました。

事例4 CT検査に使用するヨード造影剤と糖尿病薬メトホルミンの併用による重大な健康被害を防いだ事例

病院での検査や手術などの前には休薬すべきお薬があります。本事例では薬剤師が患者さまから検査の予定を聞き取り、服用中の糖尿病薬メトホルミンの休薬について確認すべきと考えました。医師へ確認を行い、休薬となり、重大な健康被害を防ぐことが出来ました。

内科で糖尿病のお薬メトホルミンを服用中、外科で大腸がんの術後経過観察中の患者さまの事例。

内科処方で来局された際、かかりつけ薬剤師は次週外科で検査予定がある事を聞き取りました。
メトホルミンは、CT検査でヨード造影剤を使用する場合、休薬すべき薬剤です。メトホルミン服用中にヨード造影剤を使用し、急性腎不全で緊急入院となった事例などが報告されています。
薬剤師は外科での検査の予定を内科医師に伝えたところ、メトホルミンは5日間の休薬に変更になり、患者さまは問題なく検査を受けることができました。

〈処方変更〉
メトホルミン塩酸塩250mg 2錠 朝夕食後 30日分

メトホルミン塩酸塩250mg 2錠 朝夕食後 25日分

処方日数変更(検査2日前より検査2日後まで計5日間休薬)

事例5 薬剤師から医師への情報提供による、妊婦の方が安全に服用できるお薬への変更

妊娠している方が服用することで、胎児の成長等に影響を及ぼすお薬があります。本事例では、薬剤師から処方医に妊娠中でも服用できる代替薬への変更を提案し、安全な服薬と治療に繋がりました。

体調不良によりお子様連れで来局された女性患者さま。

処方された抗菌薬(細菌の増殖を抑え、殺菌作用を示す薬剤)は、胎児の成長等に影響を及ぼす恐れから、妊婦の方は服用を避けるべきお薬でした。
薬剤師が年齢などから患者さまに妊娠の有無を確認したところ、患者さまは妊娠中であり、医師へ情報提供と、より安全性の高い抗菌薬への変更提案を行いました。

〈処方変更〉
ラスクフロキサシン塩酸塩錠

セフジトレンピボキシル錠

事例6 乳幼児への抗ヒスタミン薬投与による熱性けいれんのリスクを回避した事例

抗ヒスタミン薬は、咳や鼻水などを抑える作用をもち、乳幼児へ処方されることの多い薬剤です。本事例では、抗ヒスタミン薬による乳幼児の熱性けいれんのリスクを薬局薬剤師が気づき、回避できた事例です。

お母様と一緒に1歳男児が、抗ヒスタミン薬の処方でA薬局へ来局されました。

抗ヒスタミン薬の中には、熱性けいれんを発症したことのある乳幼児に対し、発熱時の使用が推奨されないものがあります。小児科の処方を数多く受け付けていたA薬局では、日頃より局内で特定の薬剤による熱性けいれんのリスクを共有していました。

当日、抗ヒスタミン薬の処方せんを受けたA薬局の薬剤師は、患児の履歴に熱性けいれんの既往歴がある事に気付いたため、よりリスクが低く、同じ効果を持つ薬剤への変更を医師へ提案し、処方変更となりました。

〈処方変更〉
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 シロップ0.04%
ケトチフェンフマル酸塩 シロップ0.02%

レボセチリジン塩酸塩 シロップ0.05%

事例7 お薬手帳を活用した病院薬剤師と副作用情報連携-アセトアミノフェンによる肝障害リスクを回避した事例

アセトアミノフェンは、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の方が、処方薬のみならず市販薬としても汎用する解熱鎮痛剤ですが、肝障害(肝機能の低下)に注意が必要です。本事例では、お薬手帳を通じて、病院薬剤師と薬局薬剤師が連携し、アセトアミノフェンの服用による肝障害リスクを回避しました。

解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンの処方事例。

アセトアミノフェンは、過剰摂取や肝機能低下状態等において、重篤な肝障害に至る恐れがあるお薬です。高用量で長期間使用する時には、定期的な肝機能の検査を行うなど慎重な使用が推奨されています。
受け付けた処方箋には血液検査の結果が記載されており、薬剤師は肝機能の数値が基準値を超えていることに気付きました。さらにお薬手帳には、病院薬剤師より「アセトアミノフェンの服用にて肝機能異常」と記載されていました。
薬剤師は今回アセトアミノフェンが1500mgの高用量で90日間もの長期間処方されていたことから、肝機能の悪化を懸念し、医師に情報提供を行いました。その結果、肝機能に影響の少ない解熱鎮痛剤に変更となりました。

〈処方変更〉
アセトアミノフェン500mg 3錠/毎食後 90日分

セレコキシブ錠100mg 2錠/朝夕食後 90日分