医療的ケアが必要な子どもと暮らす家庭では、日々の生活のなかに医療に近いケアが組み込まれています。吸引や経管栄養、呼吸器管理、服薬、通院、体調観察などを継続しながら、子どもの小さな変化にも気を配る必要があるため、保護者は常に緊張感を抱えやすい状況です。
子どもの命や健康を守ろうとするなかで、睡眠不足や疲労が蓄積したり、きょうだいとの時間が十分に取れなかったり、仕事や家計への不安を感じたりすることも少なくありません。
しかし、家族が休息を取ることは、決して子どもへの愛情が不足しているという意味ではありません。医療的ケア児を長く安心して支えるためには、家族自身の心身の健康を守ることも大切です。
医療的ケア児だけでなく、その家族も支援を受ける存在であることを理解し、無理を抱え込まない環境づくりを意識していきましょう。
医療的ケアが必要な子どもと暮らす家庭では、吸引、経管栄養、呼吸器管理、服薬、通院、体調観察など、日常生活のなかで医療的ケアを行う場面が多くあります。
保護者は、子どもの体調変化を見逃さないよう常に気を配る必要があり、夜間も十分に休めないことがあります。そのため、心身の疲労が少しずつ蓄積しやすい傾向があります。
また、
といった悩みを抱えることもあります。
家族が疲れ切ってしまう前に、周囲の支援を受けながら休息を確保することが、安定した在宅生活を続けるうえで重要です。
医療的ケア児を支えるためには、医療機関だけでなく、さまざまな支援機関と連携することが大切です。
主な支援先としては、
などがあります。
子どもの成長や生活環境に合わせて必要な支援は変化するため、早い段階から相談先を把握し、連携体制を整えておくと安心です。
また、家庭内では、
を一覧にまとめておくことをおすすめします。
情報を保護者だけが抱え込まず、支援者と共有しておくことで、担当者が変わった場合でもスムーズに引き継ぐことができます。
医療的ケア児を育てる家庭では、さまざまな支援制度を利用できる場合があります。
制度を活用することで、保護者の負担軽減につながり、家族全体の生活を安定させやすくなります。
例えば、
などがあります。
利用条件や内容は自治体によって異なるため、まずは自治体の窓口や相談支援専門員、主治医に相談してみるとよいでしょう。
「まだ必要ない」と感じていても、いざというときに利用できるよう、事前に情報を集めておくことが安心につながります。
医療的ケアを担う家庭では、「時間ができたら休もう」と考えていると、休息が後回しになりやすいものです。
そのため、あらかじめ休む時間を予定として組み込むことが大切です。
例えば、
といった方法があります。
保護者が眠る時間や通院する時間、自分の趣味を楽しむ時間、きょうだいとゆっくり過ごす時間を意識的に確保しましょう。
初めて支援を利用するときは不安を感じることもありますが、
など、少しずつ慣れていくことで安心して利用しやすくなります。
医療的ケアが必要な子どものきょうだいは、家庭の状況をよく理解している一方で、自分の気持ちを我慢してしまうことがあります。
「学校行事に来てほしい」「もっと話を聞いてほしい」「友だちを家に呼びたい」など、日常のなかで小さな希望を抱えているかもしれません。
保護者に心配をかけまいとして、本音を言えない子どももいるため、普段から気持ちを聞く機会をつくることが大切です。
また、きょうだいに医療的ケアを手伝ってもらう場合は、
ことを意識しましょう。
短時間でもきょうだいだけと過ごす時間をつくったり、学校や相談機関と連携したりしながら、家族全体を支える視点を持つことが大切です。
医療的ケア児の体調は変化することがあるため、あらかじめ緊急時の対応方法を確認しておくことが重要です。
例えば、
といった場合には、事前に決めておいた手順に沿って、医療機関や救急へ相談しましょう。
また、子どもの体調だけでなく、家族の状態にも目を向けることが大切です。
と感じたときも、支援を求めるタイミングのひとつです。
主治医や訪問看護師、相談支援専門員、自治体の窓口などに早めに相談し、一人で抱え込まないようにしましょう。
医療的ケアが必要な子どもを支える生活では、家族の負担が大きくなりやすく、気づかないうちに疲れをため込んでしまうことがあります。
しかし、家族が休息を取ることは決して特別なことではありません。心身の健康を保ちながら子どもを支えるために、休む時間を確保し、必要な支援を利用することはとても大切です。
医療、福祉、教育の支援を上手に活用しながら、家族だけで抱え込まず、それぞれが安心して暮らせる環境を整えていきましょう。
※参考記事:医療情報メディアmedicommi記事リンクはこちら