事業のリスク

事業のリスクについて

当社グループの事業等において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、平成23年3月期末現在において当社グループが判断したものです。

1.法的規制等について

  1. (1) 保険薬局の新規開設について
    当社グループが薬局を開設し、「薬事法」「健康保険法」上の医薬品を販売するにあたり、各都道府県等の許可・登録・指定・免許及び届出を受けることができない場合、関連する法令に違反した場合、または、これらの法令が改正された場合等において、当社グループの出店計画及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
  2. (2) 薬剤師の確保について
    保険薬局業務においては、薬剤師法第19条において薬剤師以外の調剤を禁じていること、薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令によって、1日平均取扱処方せん40枚に対して1人の薬剤師を配置する必要があります。このため、新規採用者数の減少・退職者数の増加などにより薬剤師の必要人数が確保できない場合には、当社グループの新規出店計画及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
  3. (3) 医薬品の販売規制緩和について
    平成21年6月に改正薬事法が施行され、一般用医薬品制度の見直しではリスクの程度に応じて、一般用医薬品として市販経験が少なく、安全性上特に注意を要する成分を「第1類」、まれに日常生活に支障をきたすほどの健康被害が生じる可能性がある成分を「第2類」、日常生活に支障をきたす程度ではありませんが、体の変調・不調が起こるおそれがある成分を「第3類」としております。同法によれば、「第1類」を含む製品については、薬剤師の対応が義務付けられる一方で、「第2類」及び「第3類」は薬剤師のほか、「登録販売者」(注)も販売が可能となりました。今後、需要の大きな医薬品の販売規制の緩和が行われた場合、競争激化により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(注)「登録販売者」
都道府県が実施する試験に合格することが条件であり、試験については、販売に即した内容、すなわち、一般用医薬品の種類ごとに、主要な成分について、効能・効果、副作用など大まかな内容を理解しているかを確認する実務的な試験内容とされております。

2.保険薬局の事業環境について

  1. (1) 医薬分業率の動向について
    医薬分業は、医療機関と保険薬局がそれぞれ専門分野で業務を分担し、国民医療の質の向上を図ろうとするものであり、国の政策として推進されてきました。今後、医薬分業率(薬局での処方せん受取率)が低下する場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
  2. (2) 薬価改定について
    薬価は、近年、2年に1度のペースでマイナス改定されております。今後も薬価のマイナス改定によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
  3. (3) 調剤基本料の格差について
    調剤技術料に含まれる調剤基本料を決定する報酬点数は、月あたりの処方せんの受付回数と特定の医療機関からの処方せんの集中度により格差が生じております。処方せんの受付回数が多く、特定の医療機関からの処方せん割合が高くなる傾向にある門前薬局(特定医療機関に近接する薬局)は、特定の医療機関に近接しない薬局に比べ、当該報酬点数が相対的に低くなる傾向にあります。今後、門前薬局について調剤基本料の引き下げがあった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

3.新規出店政策について

当社グループは平成23年3月末日現在直営店279店舗、フランチャイズ5店舗の保険薬局を運営しております。最近の当社グループの業容拡大には、店舗数の拡大が大きく寄与しております。今後とも買収を含めて店舗数の拡大を図っていく方針でありますが、当社グループの出店条件に合致する新規案件を確保できないことにより計画通りに出店できない場合には当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、医療機関の移転や経営悪化による患者数の減少に伴い売上高が減少する場合、不採算店舗について処方元医療機関及び地域医療に与える影響が大きいとの理由から閉店できない場合、賃借先の経営状況により店舗営業の継続及び敷金保証金の返還に支障が生じる場合等には、当社グループの事業計画や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

4.資金調達について

当社グループは、借入金及び社債により資金を調達することにより保険薬局の出店を行っており、当連結会計年度末における当社グループの負債純資産合計に占める有利子負債額(有利子負債依存度)は19.7%となっております。今後も借入金等により資金調達して出店等を行う予定であり、その場合、支払利息が増加する可能性があります。また、保険薬局の運営によるキャッシュ・フローが十分得られない等の場合には追加借入が困難となること等により当社グループの事業計画や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

5.調剤過誤について

当社グループでは、調剤過誤(調剤薬の調合ミス、服用指導不足等)を防止するために調剤過誤防止システムの導入や社内イントラネットにおいて実績を収集し様々な対策を講じております。しかし、調剤過誤が発生し、訴訟を受けて多額の損害賠償の支払いや、それに伴う社会的信用を損なうことがあった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

6.経営成績の季節的変動について

当社グループの売上高合計のうち、保険薬局事業の売上高が当連結会計年度においても95.7%を占めており、当社グループで行っている保険薬局事業の業績の変動が当社グループの業績の変動とほぼ連動することとなっております。当該保険薬局事業においては、冬季に流行する傾向にある風邪等や春先に発生する花粉症に係わる処方せんが増加する傾向にあることから下半期偏重になっております。

7.個人情報の利用・管理について

当社グループは、調剤業務において顧客の病歴及び薬歴などの個人情報を取り扱っております。当社グループにおいては、個人情報について個人情報保護管理者を選任し情報の利用・管理等に関する社内ルールを設け、その管理の徹底に万全を期しておりますが、万一、これらの個人情報が漏洩した場合には、住所・氏名などの一般的な個人情報の漏洩と比較し、より多額の損害賠償が生じる可能性があります。

8.消費税等の影響について

保険薬局事業においては、社会保険診療に係わる調剤売上は消費税法上非課税となる一方、医薬品等の仕入は同法において課税されております。このため、当社グループ内の保険薬局事業会社は、消費税等の最終負担者となっており、仕入先に支払った消費税等は、売上原価に計上されております。過去の消費税等の導入時及び消費税率改定時には、消費税率の上昇分が薬価基準の改正において考慮されておりましたが、今後、消費税率が改定され、薬価基準がその消費税率の変動率に連動しなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

9.固定資産の減損会計適用について

平成15年10月31日付「企業会計基準委員会」から公表された「固定資産の減損会計の適用指針」に則って、平成17年3月期から同会計基準及び同適用指針を適用しており、減損損失を計上しております。平成23年3月期は58百万円を減損損失に計上しました。今後の経営状況や不動産市況等の当社グループを取り巻く事業及び金融・経済環境によって減損等を追加認識する可能性があります。そのような場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

10.のれんの償却について

合併及び買収等による連結子会社化の場合、当社グループの連結貸借対照表にのれんが計上されることになります。なお、当連結会計年度末においては、6,193百万円を連結貸借対照表上計上しております。当社グループにおきましては、前記「9.固定資産の減損会計適用について」に記載のとおり、のれん等も含めた店舗不動産といった長期性資産については減損会計を適用し、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の残存価額を回収できるかどうかを検証しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っておりますが、子会社の業績悪化などにより将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合等は、のれん残高について相当の減額を行う必要性が生じる可能性があります。そのような場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

11.敷金・入居保証金の返還について

当社グループの保険薬局は、基本的に不動産を賃借し運営しております。当社グループは、ここ数年来、積極的な出店に伴い敷金及び保証金残高が増加しておりますが、敷金保証金勘定のうち建設協力金については、原則として当社グループが支払う地代家賃と相殺で毎月分割返済されるため、契約満了時点では完済となるもので、営業を継続している限りは債権の保全が図られるものと考えております。しかし、閉店、譲渡に伴い、敷金・入居保証金の返還を求めた場合、保証金差し入れ先の財政状態によっては、債権回収が困難となる可能性があります。この場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

12.知的財産権について

当社グループが各種サービスを展開するにあたっては、他社の持つ特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っていますが、万が一、他社の知的財産権を侵害した場合には、多額の損害賠償責任を負う可能性があります。また、当社グループの持つ知的財産権を侵害されないよう細心の注意を払っておりますが、他者からの侵害を把握しきれない、もしくは適切な対応ができない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能があります。

13.その他の規制について

当社グループが各種サービスを展開する上で、「薬事法」による広告の制限等の規制、または公正取引委員会による「医療用医薬品製造業における景品等の提供の制限に関する公正競争規約」等の医薬品業界特有の各種規制には特段の注意を払っています。今後においても、各種規制については十分に留意して事業運営を行う方針ですが、業界の様々な動きに対して、法令や業界団体による規制等の改廃、新設が行われる可能性があります。これら新たな動きに当社グループが何らかの対応を余儀なくされた場合や、当社グループがこれらに対応できない場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

14.その他の関係会社である(株)メディパルホールディングス及び三菱商事(株)との関係について

平成23年3月末日現在、(株)メディパルホールディングスは当社の発行済株式の31.88%を、三菱商事(株)は20.06%をそれぞれ保有する大株主であります。当連結会計年度末時点において、両社とはビジネスパートナーとして友好的関係を維持しております。今後、各社の経営方針に変更があり、当社株式の保有比率に大きな変更があった場合、当社の事業運営に影響を与える可能性があります。各社と当社との関係は以下のとおりであります。

  1. (a) (株)メディパルホールディングスと当社との人的及び取引関係
    人的関係については、当連結会計年度末現在、当社役員12名(取締役9名、監査役3名)のうち、1名が(株)メディパルホールディングスの役員を兼務しております。取引関係については、同社との直接的な取引はありません。同社のグループ会社とは、医療用医薬品及び一般用医薬品等の仕入取引がありますが、取引比率は同社グループ以外の会社を含め、公正妥当な判断に基づき各社との取引比率を当社が決定しております。また同社からは、事業推進上の制約はありません。
  2. (b)三菱商事(株)と当社との人的及び取引関係
    人的関係については、当連結会計年度末現在、当社役員12名(取締役9名、監査役3名)のうち、2名が三菱商事(株)の執行役員及び管理職を兼務しております。取引関係については、同社との直接的な取引は薬局備品の購入等がありますが、事業推進上の制約はありません。また、同社グループ会社の(株)ローソンとは、コンビニエンスストア併設型保険薬局の開発や登録販売者の育成・教育を主とした業務提携契約、社員出向契約のほか、コンビニエンスストア経営を目的としたフランチャイズ契約を締結しております。なお、フランチャイズ契約による同社からの保険薬局運営上の制約はありません。

15.大規模災害による影響について

保険薬局事業における当社グループが経営する保険薬局(店舗)は、当連結会計年度末において関東地区に60.6%集中しております。したがって、当該地区において大規模災害が発生した場合には、ライフラインの寸断やサプライチェーン途絶の影響を受ける可能性があり、またそれにより営業の再開に時間を要する等これらに対応できない場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

16.医療・医薬情報資材制作関連事業について

当社グループが事業展開しております医療・医薬情報資材制作関連事業におきましては、売上の多くが、医療関連企業からのものとなっています。同事業は新たな需要を喚起するもので、医療費全体の成長に大きく左右されるものではありませんが、市場の停滞、縮小や新たな市場動向に当社グループが対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

17.医薬品治験関連事業について

当社グループでは、平成15年6月に医薬品治験関連事業(以下SMO事業という)として「フェーズオン株式会社」を設立しました。SMO事業では、CRC(Clinical Research Coordinator:治験コーディネーター)やSMA(Site Management Associate:治験事務局支援担当者)といった人材の育成に先行投資する必要があり、また、提携治験実施医療機関の開拓、SMO事業運営体制の構築が重要であり、そのための費用発生も先行します。これらの先行費用は、事業規模、行政や市場の動向等に左右されます。同社の今後における事業拡大方針に基づき、先行費用が一時的に増加する可能性もあり、その場合今後の当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、治験期間中に治験に起因して被験者に健康被害が生じた場合、通常、治験依頼者(製薬企業等)の責任と負担において一定の補償が行なわれ、新GCP(注)や治験実施計画書(プロトコール)に違反した行為、医療過誤などの過失によるものであった場合には、当該治験依頼者及び医療機関も賠償責任を負うこととなります。しかしながら、当社グループが行うCRCの派遣業務に故意もしくは重過失があるなど、当社グループに帰責事由がある場合には、治験依頼者や医療機関から被験者の健康被害に関連して責任を追求される可能性があります。また、被験者本人からクレームを受けることも考えられ、訴訟事件や社会問題に発展する可能性もあります。そのような場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(注)新GCP(Good Clinical Practice):医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年4月施行) 被験者の保護及び治験データの信頼性を二大柱とした、臨床試験の実施のための様々な法的な規制

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